哭く花
「、はい」
拒否権のない私は、素直に返事をした。
それを聞いた先生は深く深呼吸をして、
「行こうか、」
と手を差し出した。
大きな掌に触れると、すぐに握り締められ、
ぐい、とそのまま体が起こされた。
先生は私が立ち上がっても、手を握りしめたままで
きゅっ、と結んだ手に力を込めると、次の瞬間にはその手が私からあっさりと離れていった。
冷めていくはずの手の温もりが、やけに残るのが不思議だった。