哭く花
「み、美岬さん、っ」
ふと気がつくと目の前に不安げな顔の先生がいた
私が目を開けて、先生がいる位置を確かめるために手を伸ばすと、
その手はさっきと同じ温もりに包まれる
先生はふう、と小さく息を吐くと
「、よかった」
と今朝の笑顔を見せてくれた。
意識が朦朧とする中で、その糸をつなぎ止めたのはきっと先生の笑顔と言葉。
ガンガンと痛む頭を、
ゆっくりと先生の膝から離し、
床に手をついて体を支える。
大丈夫?と言わんばかりに手を差しのべる先生に
首を横に振る事で感謝を伝えた。
貧血かな、と考えるほど思考は案外冷静で、
どれくらい眠ったのかわからないけれど、
雨は既にやんでいて、
ふと見渡すと、そこはまだ職員室の前だった。