哭く花
坂を少し登った小高い丘の上に、私たちの高校はある。
静鳴高校。
この街唯一の高校で、70人の生徒が通っている。
進学を目的としないため、穏やかでのどかな空気の流れる場所。
横でゆめちゃんが沢山の出来事を私に話す間、
私は聞くことで精一杯だった。
久しぶりに登る坂は休み明けの体には
少ししんどさがあった。
「っ、夢ちゃん元気だね、」
「美岬が弱いのよ」
そう言うとまたぺらぺらと話し始める夢ちゃん。
彼女はハンドボール部の部長をしていて
体は細いのに、筋肉がしっかりとついている、
私にとって理想の体型だった。