哭く花
私は頑なに自分の中で、
この病室を去るためのドアを
開けることを拒んだ。
もう会えない。大好きな、愛する家族に。
お父さんは、仕事であまりおうちにはいなかったけれど
いる時はずっと私たち姉弟の相手をしてくれて。
朝と寝る前、抱きしめてくれる腕は力強く大きかった。
お母さんは毎日毎日、1人で姉弟の世話をして、
手のかかる2人を前にしても笑顔が絶えず、
芯は強くて、とても優しかった。
弟は、私のことがとっても大好きな、
まだ小さな3歳の男の子だった。
顔を見るといつも、みーちゃん、と
名前を呼んで駆け寄ってくれる。
小さくて、壊れてしまいそうな背中を
追いかけるのがわたしはとても好きだった。
捕まえた時に感じるぬくもりは、
お父さんやお母さんよりも大きかった。
そんなふうに生まれてから今までのことを振り返っていると、
また涙が止まらなくなる。
そんなことを繰り返しながら、
私は二度とあえなくなる三人の顔を目に焼き付けた。
この病室を去るためのドアを
開けることを拒んだ。
もう会えない。大好きな、愛する家族に。
お父さんは、仕事であまりおうちにはいなかったけれど
いる時はずっと私たち姉弟の相手をしてくれて。
朝と寝る前、抱きしめてくれる腕は力強く大きかった。
お母さんは毎日毎日、1人で姉弟の世話をして、
手のかかる2人を前にしても笑顔が絶えず、
芯は強くて、とても優しかった。
弟は、私のことがとっても大好きな、
まだ小さな3歳の男の子だった。
顔を見るといつも、みーちゃん、と
名前を呼んで駆け寄ってくれる。
小さくて、壊れてしまいそうな背中を
追いかけるのがわたしはとても好きだった。
捕まえた時に感じるぬくもりは、
お父さんやお母さんよりも大きかった。
そんなふうに生まれてから今までのことを振り返っていると、
また涙が止まらなくなる。
そんなことを繰り返しながら、
私は二度とあえなくなる三人の顔を目に焼き付けた。