哭く花
それは、葬儀や、保険の話ばかりで、
私にはよくわからないものが多かったので、
先生が代わりに話を聞いてくれた。
そして、その話はついにやってきた。
「美岬ちゃんの、これからのことなんですが」
今まで先生の方を見て話していた小野山さんも、
その時だけは私をしっかりと見つめた。
「美岬ちゃんに、誰かきちんとした親戚がある場合は、そちらに。ない場合は…」
言葉を詰まらせ、うーんと唸る小野山さん。
きっと知ってる人の子供だから、余計に言いづらいのだろう。
「私はどこでも、幸せに生きていけます。」
私決めたんだ、あの部屋を出る前に。
どこにいても、3人に見てもらえるよう笑顔で幸せに生きる、と。
すると、横で黙っていた先生が口を開いた。
「美岬は、俺が引き取るよ」