哭く花

小野山さんも、私も、

えっ?と短く声を上げた。

その時ばかりは、その言葉を、先生を疑った。


「も、もう1度、」

私が口を開く前に、小野山さんがそういった。


すると先生は深く息を吸い、

真っ直ぐに座って姿勢を整えると、

「美岬を引き取らせてください。」

と小野山さんに頭を下げた。



小野山さんは私に、この人と話し合いすっから、と苦笑いして、

ごめんね、と私を部屋から出した。


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