哭く花
最初はその意味がわからなかった私も、
外に出て、ぼうっとしているうちに意味を悟ることが出来た。
長い、とにかく話し合いが長い。
でもその長さも、ふたりが真剣に私の将来について話してくれているんだと考えたら、
苦痛も何も感じなかった。
むしろ感謝の気持ちの方が大きく、
私は穏やかな気分の中で、これからのこと、3人のこと。様々なことに考えを巡らせた。
またそれからしばらく待っていると、
静かにドアが開き、小野山さんが出てきた。
「折れたよ、僕の負け。」
はは、と乾いた笑いを浮かべると、
急に真面目な顔になり、
「それでもあいつの思いは本物だよ。これは僕が折れたことからわかってもらえると思うけど」
あとは、美岬ちゃんに任せるから。
小野山さんは、そう言って肩を力強く握ってくれた。
そして、
「じゃあはいってもらえるかな?」
と私をドアの中へと促した。
そして、先生だけの静かな部屋にふたりで入り、
再び席に着くと、
咳払いをした小野山さんが、ゆっくりと言葉を発した。
「さっきも言ったとおり、森本は本気だ。美岬ちゃん、どうするかは君の判断に任せる。今じゃなくてもいいんだよ」
小野山さんの目は、しっかり私を見据えて離れなかった。
私はその目線を避けて、先生の方を見た。
「森本先生」
先生はゆっくり顔を私の方に向け、
どうした?と優しく問いかける。
「どうして、私なんかを?」
先生が私を引き取ると口にした時から、
ドアの外でずっと考えていたこと。
これを知らずして、答えは出せない。
そう思ったから。
先生はゆっくりと口を開いた。