哭く花
「よし、」
私は自分の荷物をまとめると、先生の車の助手席に乗り込んだ。
「よし、家に向かうぞ」
今日から私は、先生のおうちに、正式な家族として住むことになりました。
苗字などは、学校のこともあるから志賀のまま過ごすことに。
「通学路、確認しておこう。」
先生は一旦学校へと向かうと、そこから家までの道に車を走らせた。
久しぶりに見る校舎。
思えば、先生と病院を訪れてから、早くも1週間が経っていた。
その間は二人で病院の休憩室を借りて寝泊まりし、
今日のためにきちんと話し合いを進めていた。
「先生、長いあいだ学校休ませてごめんなさい」
私は一週間もの間、話を代わりに聞いてくれたり、
家があるのに一緒に泊まってくれた先生に、感謝も込めて謝罪をした。
「そんな、学校ずっと休んだのは美岬も同じだ、早く行きたいだろ?」
「夢ちゃんに会いたい」
「早く会いに行こうな」
私はもう、あの部屋で3人と別れてから、
人生で使うすべての涙を使ってしまったような気がしていた。
だからきっと、もう夢ちゃんに迷惑かけたりしないよ、
私は強くなったから。