哭く花
学校から少し離れた裏道で、私と先生はお別れをした。
「申し訳ない、あと少し走ってくれ」
「わかった!乗せてくれてありがとう!」
そうやって早々に別れを告げると、
私は全速力で走った。
不思議と体は軽かった。
夢ちゃんとふたりで、通った通学路よりもずっとずっと、
風を感じて走った。
校門が見え始めた頃、
同じように反対側から走ってくる女の子が見えた。
夢ちゃんだった。
夢ちゃんも私に気がついたようで、
きゃあああっと叫びながら校門を通り過ぎて私の側まで来ると、
そのまま坂を転がりそうな勢いで抱きついてきた。