哭く花

学校から少し離れた裏道で、私と先生はお別れをした。

「申し訳ない、あと少し走ってくれ」

「わかった!乗せてくれてありがとう!」

そうやって早々に別れを告げると、

私は全速力で走った。

不思議と体は軽かった。

夢ちゃんとふたりで、通った通学路よりもずっとずっと、

風を感じて走った。

校門が見え始めた頃、

同じように反対側から走ってくる女の子が見えた。

夢ちゃんだった。

夢ちゃんも私に気がついたようで、

きゃあああっと叫びながら校門を通り過ぎて私の側まで来ると、

そのまま坂を転がりそうな勢いで抱きついてきた。

< 65 / 133 >

この作品をシェア

pagetop