哭く花
夢ちゃんは私に気を遣って、
「どこからでもいいよ、話せるところからで」
とそっぽを向いて汗をぬぐっていた。
でも夢ちゃんには全部知って欲しいから。
もう、迷惑もかけない。1人でも出来るんだって
夢ちゃんに少しでも楽になって欲しいから。
「私、全部話すよ、」
「え?」
私の言葉が力強く響いた。
それは自分の中でも感じたこと。
夢ちゃんの目が見る見るうちに濡れていくのが見えた。
「…強くなったね、美岬」
そうやって空を仰いだ夢ちゃんは、黙って聞くから。と私を見て微笑んだ。