少女マンガ的社内恋愛
オレが小学校6年生の時、『お前が学校卒業したら、また引っ越す』って親父に言われて……どれだけ後悔したのかも、倉金は知らない。


まさかそれから20年近くも会えなくて、更に再会したらちっとも記憶に残って貰えてなかったなんて昔のオレが分かっていたら、どうしていたんだろう。


「このままでいいワケがないって事だけは、確かだよな……」


パタンとアルバムを閉じて、ゆっくり前を見据える。


「もう逃がしはしねぇぞ。お前が逃げても追いかけまくって、絶対捕まえてやる」


オレの決意を滲ませた言葉が、オレ以外誰もいない寝室に流れて舞った。
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