少女マンガ的社内恋愛
部長が常務を促すと、常務は高そうな革靴に包まれた足を動かし、こちらに向かってやって来る。


「わわっ、こっち来た!」


「そりゃあ私達のデスク出入口の近くなんだから、こっち来るに決まってるよ……」


私の両肩を掴んでまるで好きな男の子に告白出来ない女子中学生の様に背後に隠れる燐に再び苦笑いをしながら、常務と部長を見送った。


パタン…とドアが閉まり、一気に騒がしさを取り戻す営業部。


「キャーー!!あの笑顔見たーーーっ!?」


「見た見た!アレはヤバイ!そこら辺のアイドルより常務の方がよっぽどいいわ!!」


「同感!」
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