少女マンガ的社内恋愛
ずっと黙々と酒を飲んでいたら、その内トイレに行きたくなってきた。


「マスター、ちょっとトイレ」


「ハイよ」


カクテルグラスをテーブルに置いて、立ち上がる。


そしてそのままトイレに行こうと、何歩か進んだ時だった。


――――ドンッ


オレの右横を横切ろうとしていた他の客と、肩同士がぶつかってしまったのは。


「あっ、すみません」


「いえ、こちらこそよそ見してて……」


急いで謝ると、相手もすまなさそうな表情をオレに向ける。


かと思ったら…オレと目を合わせた瞬間、あっという間に驚きの表情に顔を変えたのだ。
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