少女マンガ的社内恋愛
「嫌だ」


「嫌だって……」


「だって離したら、またお前オレの手の届かない所に行っちまうだろうが」


「――――…っ」


途端に静かになった澄鳴の髪に、顔を埋める。


同居中はオレと同じシャンプーを使ってるハズなのに、いつもよりずっと甘い香りがした。


「ご、ごめんなさい………」


「分かったならよろしい」


あーーー…カワイイ。


コイツ、こんなにカワイかったっけ?


うん、カワイかったな。


ずっとこのままでいたい……けど、話もしなければいけない。


「澄鳴、登暉の妹の事、誤解は解けたと思っていいのか?」
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