少女マンガ的社内恋愛
この人は自分の気持ちだけを押し付けてきているワケでは無い。きっと私が❝嫌だ❞と言ったら、無理強いする事は無いと思う。


だけど穢れのない求める気持ちを与えられて、拒否出来ない私がいる。


これは決して同情でも、恐怖でもない。ちゃんとした私の意思だ。


私はこの気持ちを見て見ぬフリする事なんて――――…出来ない。


「―――…っ」


一度息を吸い、新鮮な空気を体内に取り込む。


「優しくして……くれますか?」


私の言葉を聞いた常務は、先程よりも大きく目を見開き、息を呑んだ。


「………約束する」


私にも、幸せを。
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