少女マンガ的社内恋愛
ギュッと常務の首に腕を回して、半ばうわ言の様に囁いた。


怖くない。後悔も無い。だから大丈夫。


そういう気持ちを伝えたかったのに、どうやら少々過剰気味に伝わってしまったらしい。


「クソッ……なんだってお前はそうやって、いつもいつもオレを煽るんだ………っ」


苦しそうに顔を歪めた常務の方から、カチャカチャという金属音が聞こえる。


「辛かったら、オレにしがみついていいから………」


「ハイッ………」


私よりずっとガッチリした体が、私の素肌と隙間無く密着した。


それからの事は、途切れ途切れにしか記憶に残っていない。
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