少女マンガ的社内恋愛
覚えているのは体を貫く強い痛みと、それすらも超える甘い言葉達。


『澄鳴、愛してる………』


上下に揺れる視界の中、そう言ってくれた常務の表情の事はずっと忘れない。


幸せだけに包まれた世界の中で、私の意識は夢の方の世界に引き寄せられて行った。


―――
――――
―――――…


「う……ん…」


肌を撫でる冷たい空気に肩を震わせながら、目を開ける。


カーテンの隙間からは日光が差し込んでいるが、朝なのか昼なのか分からない。


「今何時…?」


半開きの目で枕元の時計を見ると、まだ午前6時20分…もう少し寝よう………
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