少女マンガ的社内恋愛
グビグビビールを飲んでいたかと思ったら、いきなりとてつもなく真っ直ぐな目を向けてくるコイツは、15年以上のつき合いがあっても苦手だ。


何もかも理解しているかの様な雰囲気を放つ登暉から目を逸らし、自分のビールの表面を軽く弾く。


「……ああ。そうだよ」


「フッ……あの子が幸作が大切で大切で堪らない女の子ねぇ」


“27歳は女の子じゃねぇだろ”と突っ込む事もしないまま、ソファーに寄り掛かって溜め息を吐いた。


そうだ。


チビネズミは…いや、倉金は…オレの大切な“女”なんだ。


『こちらは息子の進一朗と、娘の澄鳴です』
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