少女マンガ的社内恋愛
それからのオレはまぁ酷くて、倉金を毎日の如くからかい続けた。


チビネズミというアダナを付けたりして、目を閉じればアイツの嫌がる顔や泣き顔がありありと浮かぶ。


『幸作、お前また澄鳴ちゃん泣かしたのか?女の子、しかも3つも年下の子をからかうなんて、お前は……』


現在倉金食器株式会社3代目社長を務めている父親は倉金につきまとうオレによく呆れていたが、オレはアイツから離れられなかった。


―――いや、違う。


“離れたくなかった”んだよ、倉金。


お前は昔も、そして今も、何にも知らない。


オレの気持ちなんて、少しもだ。
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