記憶の中の彼
何度も一緒に遊ぶようになってから、なぜ愛想の良くないわたしに声をかけ続けてくれたのかと尋ねると、美希は笑ってこう言った。
「咲良とは合う気がしたんだよね。
勘だけど、この子とは絶対に仲良くなれるって思った。
あとね、咲良が本当は人と仲良くなりたいこと、伝わってきたよ。
ただどうすればいいのかわからないだけなんだろうなって」
風呂から出ると眠気が襲って来た。
眠さから身体が重く、焦点が合わなくなった。
その日は髪も乾かさず布団に入ってしまった。