記憶の中の彼
左の列の後ろの方に美希を見つけ近づいていった。美希はこちらに気がつかないので肩を軽くたたいて呼びかける。
「美希、おはよう」
「おはよう。久しぶりだね」
「そうだね、3週間くらい会っていないよね。あ、席ありがとうね」
「うん」
美希が隣の席にかばんを置いてわたしの席を確保しておいてくれたので、かばんを手渡して席に着いた。
時刻通りに教授が教室に入ってきた。
この教授は時間を守るタイプなのだな。
必ず遅れてくる教授もいるのに。教授が話し出すのだが、強烈な眠気が襲ってきた。
睡眠欲に打ち勝とうと必死に目を開けるのだが焦点が定まらない。
夏休み中に生活リズムが崩れたせいか昨晩はあまり眠れていなかったのだ。
授業のために無理に起きたのだが、結局こうして眠たくなってしまった。