記憶の中の彼
「片瀬さんはきっぱりと否定した。だから最後に一之瀬陸を知っているかって聞いたの。そうしたら、彼はすごく冷たく知らないって答えた」
聞き終わった隆君は「僕もね」と話を切り出した。
「歩本人と歩の中学の同級生に、歩は中学生のときに転校したかどうか聞いたんだ。でも歩も同級生も否定したよ。仮に歩が陸君ならば、中学二年生で転校しているはずだけど、歩は中学校三年間を同じ学校で過ごしている」
「隆君、ありがとう。とにかく片瀬さんは陸じゃないってことが良く分かって、すっきりしたよ」
「咲良ちゃん、ムリして笑わなくてもいいよ。がっかりしたよね」
隆君は心配そうにわたしの表情を窺った。
「確かに勝手に盛り上がった分、落ち込んだけれど、最初から結果は分かっていたはずだから。わたし、片瀬さんのこと調べるのはもうやめる」
聞き終わった隆君は「僕もね」と話を切り出した。
「歩本人と歩の中学の同級生に、歩は中学生のときに転校したかどうか聞いたんだ。でも歩も同級生も否定したよ。仮に歩が陸君ならば、中学二年生で転校しているはずだけど、歩は中学校三年間を同じ学校で過ごしている」
「隆君、ありがとう。とにかく片瀬さんは陸じゃないってことが良く分かって、すっきりしたよ」
「咲良ちゃん、ムリして笑わなくてもいいよ。がっかりしたよね」
隆君は心配そうにわたしの表情を窺った。
「確かに勝手に盛り上がった分、落ち込んだけれど、最初から結果は分かっていたはずだから。わたし、片瀬さんのこと調べるのはもうやめる」