私のココロは雨のち晴れ
小さい頃
「 ただいまー」
「 おじゃましまーす」
家に帰ると
「 おかえりー!」の声の後に
パタパタとスリッパの音が家に響いた
すぐに長い髪を一つに束ねた女性が現れた
「 祐斗くん、いらっしゃい」
微笑んだ顔は、実の娘から見てもとてつもなく綺麗だと思う
私の自慢のお母さん
渡辺美麗(ワタナベミレイ)
きっと昔はモテたんだろうなぁ
それに比べて、私はなんでお母さんみたいにならないの?
血のつながり疑っちゃう
「 いつもすみません…。今日も夕飯食べていってもいいですか」
遠慮とかしなくてもいいのに
毎日来てくれてもいいんだけど
さすがにそれは無理だよね
「 もちろんよ!私と咲ちゃんの仲だもの」
咲ちゃんって言うのは祐斗のお母さん
関口咲(セキグチサキ)ちゃんのこと
お母さんのその呼び方の影響で
私も咲ちゃんって呼んでる
本当にママ同士仲良し
咲ちゃんも綺麗な人なんだよな~
「 鈴音?どうしたの、ぼーっとして」
いつの間にか祐斗は中に入っていて
私だけが取り残されていた
「 え、いや、なんでもなーい」
そう答えると私は2階の自分の部屋に向かった
荷物を置いて着替えて行くと
祐斗はお母さんと楽しそうに話してる
こうしてる時間が一番幸せかもしれない
一緒に帰ってご飯食べて…
すれちがう女の子達は
ちょっとだけ嫌だったけどね
でも、そんなこと
どうでも良くなっちゃう
やっぱり私が1番近くにいる
って感じるから