イケメン 一家に囲まれて
美咲の言われた通り、家の前で待っていた。
戸村さんは、出掛けると言ったらいつもより丁寧にメイクをし始めて、服もオシャレなのに着せ替えられた。
そして最後に…。
「玉の輿だ!玉の輿!」
とか言って来た。
ただの男友達なのに…。
それにしても、何で家の外?
ボーと空を眺めていたら、遠くから車の音がした。
車の音がする方向を見れば白い車がこちらに来ている。
だんだんと近づいてきてわかった。
白い車は高級車。
私の目の前で止まった。
車内から年老いた男性運転手が出てきて、後ろのドアを開ける。
「やぁ、まった?」
やはりお前か!
「いや、全然」
さっき家出たばっかりですから…。
「さぁ、中に入って」
車内に入る前に…。
「どうも、美咲くんの友達の立花 唄です、今日宜しくお願いします」
「これはこれは、礼儀のいいお嬢さんで、美咲お坊ちゃんにいいご友人が出来ましたなさぁ、外は寒いですから早く中に」
優しい、運転手さんに急かされ車内に乗り込む。
「爺や、昨日言った所にお願いね」
「はい、かしこまりました」
おぉ…戸村さんとは大違いだなぁ。
「爺やの自己紹介かまだだね…」
「私は爺やとお呼びください」
美咲が自己紹介しようとした瞬間それを避けた。
何でだ?
「爺や、自分の名前が嫌いなんだすごい面白い名前だからね」
「美由お坊ちゃん!爺やを怒らせないでくださいね!唄様いつかお教えいたしますね」
「は、はい」
そんな、変な名前なのかな?
何だろう?