イケメン 一家に囲まれて

「はぁ?!マジで!」


「はい、お世話になりました」


「そうか…わかった…」

戸村さんに辞める旨を伝えた。


準備は着々と進んだ…。


私はなるべく遼と陽鉈と一緒にいることにした。



「お前、辞めることにしたんだってな」

「うん、良かったね、うざい女がいなくなってるよ?」

遼の部屋でお茶に付き合っていた。


「自分で言うなよ…おかしいんじゃねえ?」


「フフフ…だね」


半年も立たないうちに、幸せは奪われてしまった。



でも…幸せだった…。

まだまだ居たかったなぁ…。


「なぁ…いろよ…ここにずっといろよ…」

「へ?」

「何か…お前がいなきゃ落ち着かねぇ…お前のことばかり考える…なんだよこれ?」


遼は顔を険しくした。

「わかんないよ…私もわかんない」


グイッ…。

遼に腕を引っ張られ抱きしめられた…。

「っ…!」

な、なんで?

「何で…何でなんだろう」、

遼の香りに包まれる。

遼の温もりは暖かくて切なかった。

離れなきゃいけないのにドキドキと心臓が脈を打って。


幸せと感じていて、離れたくないって思ってしまった。
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