イケメン 一家に囲まれて
「僕この女の子やだよ」
「旦那様のご命令ですので」
旦那様のご命令?
「だからわざわざ学生に声をかけたのか」
陽鉈と遼の学校生活の世話をして欲しくて、私みたいな学生に声をかけたと?
うん、金持ちの人の考えはよくわからない。
「僕はこんな馬鹿な女は嫌だよ」
「俺もだ、学校で演技してる俺の足を引っ張るタイプだ」
さっきから口を開けば悪口ばっかり、言われ慣れてるから傷付きはしないけど…
ムカつく…
「あ''ぁ?我慢しろや」
「えっ?」
こ、これは戸村さんの声…
戸村さんが豹変した⁈
本性隠してたんだ…
主人たちを見ると、怒るわけでもなく慣れたように言い合いをしていた。
まるで信頼しているかのように、信頼の目を向けて。