イケメン 一家に囲まれて
窓のある部屋からは夜か朝かしっかりと分かる。
窓から見える木々や、花々に月と太陽を見た時には涙が溢れた、久しぶりの自然と空気に触れ感動した。
逃げようともしたけれどお金持ちの家とだけあって広く高く、ここから降りようとすれば死ぬくらいの高さだった。
何もすることも出来なくて、ただ不安と少しの希望を胸に足を抱え隅に座るだけだった。
コンコンッ。
菊池さん?でもさっきたばかりだし、もしかして私の両親のこと?
悶々と考えていると、扉がゆっくりと開いた。
そしてその姿に私は体を震わせた。
「遊見……総一朗…」