イケメン 一家に囲まれて
「俺の隣に立つにはさすがに地味すぎる」
「そうだね僕も思うに戸村」
戸村さんは何かを察したように、私の腕を引いた。
「私達はあとから追いますので、先に学校へ」
私の腕はしっかりと握られたまま、私だけ置いてきぼり?
「さて、変わりますよ」
あのあと、顔につけまつげやピンクのグロス、髪をストレートにさせられた。
最後の最後に爽やかな香りのする香水までもつけられた。
「はぁ…」
もっと嫌になってきた、メイクもしたことが無ければ庶民オーラしかない私。
うまくやれる自信がない。
「彩様にもちゃんとした対応ができた、それと同じようにすればいい」
きっと励ましてくれてるんだと思う。
けれど、髪をストレートにしたメイクを施したのは紛れもなく戸村さん出会って…
私の気をもっと重くしたのは戸村さんですよなんて言えるわけもなく。
「ありがとうございます」