イケメン 一家に囲まれて
普段怒らない僕が起こったのかみんなは顔を青く染め上げた。
「誠哉…」
「灯、なんで言わなかったの?」
灯はうつむきながらごめんとだけ言った。
言えるわけがない、こんなクラス全体にいじめられ僕にチクったらもっと酷くなるだけだ。
「せ、誠哉くんこんな子が好きだって嘘だよね⁉︎」
近くにいた、ケバいきつい香水をした女が寄ってきた。
こんな子が好きなんて嘘だよね?…
その言葉に僕は切れた。
「……れ」
「えっ?」
「黙れブスッ!臭い香水とケバい化粧で可愛いと思ってるお前と灯を比べんじゃねよ」
「ッ…!酷いっ」
はっ?
「酷い?ふざけんな!酷いのはお前らだろうがっ!暴言吐かれたくらいでなにいってるの?灯を虐めたお前らの方がよっぽど憎いんだけど?」
みんなは顔をうつむきながら真っ赤にさせた。
怒りでもなく恥ずかしいという顔。
男までも灯を虐めて、僕は僕でいられなかった。
「だって、誠哉くんが好きで‼︎」
「悲劇のヒロインも大概にしろ!自分の気持ちも伝えられずに灯を虐めて、好きでなんてだけで許されることじゃねぇんだよ!」
僕はそう吐き捨て灯を抱き締め教室を出た。
それから僕は灯と行動を共にした。
灯を守るように、灯とずっと一緒にいた。
告白された、また二度と同じことが起こらないように丁寧に告白を断った。
それから成績は少し下がったり、生徒会だったりと僕は大忙しで灯のためならと苦にもならなかった。
「ごめん灯今日は昼飯一緒に食べれないんだ」
「そうなんだ、生徒会?」
「そう、帰りは一緒だから」
灯を安心させようと必死で頭を撫で、灯から離れ生徒会室へ向かった。