イケメン 一家に囲まれて
「俺は女の子が好きなだけだよ」
「人間は、自分が1番可愛くて守りたくなるものです、例え愛していた人を盾にしてでもそうすると思います、けれど…」
人間は、1番に守りたいのは自分で本気で愛していなければ見捨ててしまうものだと思う。
「本当に愛していたなら、自分を犠牲にしてでも守ると思います、朔様はその人を愛していたんですよ」
愛していた女が地位のために近付いて振られたなんてなったらそんなもんだろで終わる。
仮にも白川財閥で、次男で立場は危うい。
朔さんは、たとへ自分に、何かがあっても彼女が目の届くところにいないといけなかったんだ。
彼女も結局彼を愛していたから…
「ふふっ…そうだね、君は名探偵さ、彼女と両思いと知れば権力を振りかざしてくる、彼女と俺は引き離されるより自分達から離れることを選んだんだ」
彼は笑うことをやめ、一点を見つめた。
「俺は弱い、愛する女といる事さえ出来ないんだ、けれどもう彼女の事は吹っ切れたんだ」
ヘラへラしていた彼、闇に立ちすくんでいた彼は、光を手に入れたように明るくなっていた、