六冠神竜姫(むかんしんりゅうき)
第2章 神竜姫1
また僕が目を覚ます日があるなんて、思いもしなかった。
「・・・・・・空?」
目を覚ました僕は、どうやら仰向けで寝ていたようで、起きてすぐ目に入ったのは、
いつも見ていた青い空だった。
「・・・・・・なんで、太陽が、2つあるのかな?」
まず、上体を起こし、妙に明るいと感じた僕は空を広く見る。と、おかしなことにいつも1つしかなかった太陽が2つあったのだ。
「・・・どゆこと?」
少し疑問に思い、口に出してしまったが、
周りに答えてくれる人はいなかった。
その代わり、
「やっと起きたのか?」
僕がいた背後の方から少し高めの女の子の声が聞こえた。
背後に視線をやるとそこには、予想通り、
10歳くらいの少女がいた。でもそれは、
普通の少女ではなかった。
「なんで、頭のところに猫耳みたいなの
ついてるの?」
「猫人だからじゃ! なんじゃ?
不思議そうな顔をして。 ここら辺では
珍しくないぞ?」
よく後ろの方も見てみると、細めの黒い尻尾も生えていた。
まぁ、そんなこと、どうでもいいけどね?
僕にとっては、目の前の女の子が獣人であろうとなかろうと、この先のことを考えれば、些細なことだと、考えたのだ。
なぜそう思ったのか?
簡単なことだ。
雲が教えてくれたのだ。
別に格好つけたわけでは、ない。
ただ、こうなってしまっただけだ。
「どうしたのじゃ?」
猫耳の女の子に小首を傾げられるほど
今の自分はひどい顔をしていたのかと納得し、少し口角をあげて見る。
その顔のまま、
「ここってどこ?」
っと、きくと女の子は
「ぷはは・・・ お兄さん、その顔、あはは」
大笑いしていた。
どうやら、先程の顔よりもひどかったらしい。
「えっとな、ここはな、ウェレスト国の端にある、猫獣人の町の外れじゃよ、主様。
ここらいったいは、猫獣人しか入れないような結界があるはずなんじゃが、どうやら、主様には効果がないらしいの?」
「いや、そう聞かれても・・・」
僕にはわからないと言おうとしたところで、僕は気がつく。
「なんで、僕を主様って呼ぶの?」
「おや、気がつくのが早いのう?
まぁ、基いた村の風習じゃよ。 そういえば、村がなくなって、もう何年になるんじゃろうな? はて? もう、6年か。 早いの。」
途中から僕を無視してぶつぶつと何か言い出した猫獣人の女の子の話に僕は少し興味が出た。
「ねぇ、村がなくなったってどゆこと?」
「ふむ、主様は知らんのか?
ここ最近は多いじゃろ?」
女の子に話を振られて頭に?を、浮かべた僕を見て、
「主様、主様。 主様はいったいどこからきたのじゃ? わしは、とてもとても、主様のことが気になってきたぞ! ここ最近のことなんて隣国処ではなく、もっと広いとこまで、知られているのに、何故、主様は知らぬのじゃ? のう! のう!」
女の子は本当に無邪気に笑い、興味津々に僕に近づきながらきいてくる。
目を⭐にして。
正直、可愛いし、とても怖い。
ちなみに、俺にはロリ属性も獣人属性もない。
でも、
「のう! のう!!」
これは破壊力抜群ではないだろうか・・・。
「ああ、ああ、そうだよ。 僕はこの世界の住人じゃないよ、多分・・・。」
「お! おお!! 主様は世界すら違う場所から来たのか! すごいのう! すごいのう!」
この少女はいったいなんなんだろうか。
さっきから、目を⭐にして何度も頷きながら、話の続きを待っている。 猫の獣人のくせにまるで、目の前に骨を置かれた犬みたいだ。
「まぁ、落ち着いてよ。 とりあえず、元に戻る方法を考えなくちゃ。 僕はどこからここに運ばれてきたの?」
僕は、少女をよけて布団の上に座り直して少女にきいた。
すると少女は、少し残念そうな顔をして、語り始めた。
「うーん。 主様はある日突然、わしの家の前に倒れていたのじゃ。 最初はわしも驚いたが、神様が我らに希望となる者を与えてくれたのかと思って、それからずっと、布団で寝かせていたのじゃ。」
「ちょっとまて。僕が希望ってなに?」
突然なんか暗い話になってきたな・・・。
「ああ、そうか。主様は知らないんじゃったな。 あと少しでこの村は滅びる。
領主様がいなくなって、国がこの村を引き取りにきたのじゃが、
土地は悪く、住人も猫獣人であまり仲が良くないから滅ぼす、とやつらは言ったのじゃ。」
「・・・・・・・・・・・・。」
僕はそれを聞いて、絶句するほかなかった。 僕を助けてくれたこの子を含め、猫獣人と仲が良くないという理由だけで、国が滅ぼしにくるなんて、日本であるなら絶対にあり得ないことだ。
いままで、平和でなにもない世の中で暮らしてきた僕からしてみれば考えられない話なのだ。
「でも、猫獣人の人しか入れない結界が、あるんじゃ・・・。」
「主様は阿呆か? そんなものは結界をはったやつより壊す方の力が、強ければ難なく壊せる。」
つまり、どうしようもないということだ。
「そんなことって、な・・・。」
僕は項垂れた。 折角助けてもらったこの命、せめてこの人たちのために使いたいのだが、
いったいどうしたらいいんだ?
「そう項垂れるでない、主様。 きっと、村の大人たちも何かしらの対処をするであろう。 いざとなれば村人全員で戦争じゃがな。」
「戦、そう・・・」
この言葉を聞いて俺は、はっと気づく。
・・
「わかった。 その戦争になる前に俺が
助けてやる。
村の大人たちを集めてくれないか?」
「えっ!?」
何を根拠にこんなことを言ったのだろう。
そんなことを、今更思う。
「・・・・・・空?」
目を覚ました僕は、どうやら仰向けで寝ていたようで、起きてすぐ目に入ったのは、
いつも見ていた青い空だった。
「・・・・・・なんで、太陽が、2つあるのかな?」
まず、上体を起こし、妙に明るいと感じた僕は空を広く見る。と、おかしなことにいつも1つしかなかった太陽が2つあったのだ。
「・・・どゆこと?」
少し疑問に思い、口に出してしまったが、
周りに答えてくれる人はいなかった。
その代わり、
「やっと起きたのか?」
僕がいた背後の方から少し高めの女の子の声が聞こえた。
背後に視線をやるとそこには、予想通り、
10歳くらいの少女がいた。でもそれは、
普通の少女ではなかった。
「なんで、頭のところに猫耳みたいなの
ついてるの?」
「猫人だからじゃ! なんじゃ?
不思議そうな顔をして。 ここら辺では
珍しくないぞ?」
よく後ろの方も見てみると、細めの黒い尻尾も生えていた。
まぁ、そんなこと、どうでもいいけどね?
僕にとっては、目の前の女の子が獣人であろうとなかろうと、この先のことを考えれば、些細なことだと、考えたのだ。
なぜそう思ったのか?
簡単なことだ。
雲が教えてくれたのだ。
別に格好つけたわけでは、ない。
ただ、こうなってしまっただけだ。
「どうしたのじゃ?」
猫耳の女の子に小首を傾げられるほど
今の自分はひどい顔をしていたのかと納得し、少し口角をあげて見る。
その顔のまま、
「ここってどこ?」
っと、きくと女の子は
「ぷはは・・・ お兄さん、その顔、あはは」
大笑いしていた。
どうやら、先程の顔よりもひどかったらしい。
「えっとな、ここはな、ウェレスト国の端にある、猫獣人の町の外れじゃよ、主様。
ここらいったいは、猫獣人しか入れないような結界があるはずなんじゃが、どうやら、主様には効果がないらしいの?」
「いや、そう聞かれても・・・」
僕にはわからないと言おうとしたところで、僕は気がつく。
「なんで、僕を主様って呼ぶの?」
「おや、気がつくのが早いのう?
まぁ、基いた村の風習じゃよ。 そういえば、村がなくなって、もう何年になるんじゃろうな? はて? もう、6年か。 早いの。」
途中から僕を無視してぶつぶつと何か言い出した猫獣人の女の子の話に僕は少し興味が出た。
「ねぇ、村がなくなったってどゆこと?」
「ふむ、主様は知らんのか?
ここ最近は多いじゃろ?」
女の子に話を振られて頭に?を、浮かべた僕を見て、
「主様、主様。 主様はいったいどこからきたのじゃ? わしは、とてもとても、主様のことが気になってきたぞ! ここ最近のことなんて隣国処ではなく、もっと広いとこまで、知られているのに、何故、主様は知らぬのじゃ? のう! のう!」
女の子は本当に無邪気に笑い、興味津々に僕に近づきながらきいてくる。
目を⭐にして。
正直、可愛いし、とても怖い。
ちなみに、俺にはロリ属性も獣人属性もない。
でも、
「のう! のう!!」
これは破壊力抜群ではないだろうか・・・。
「ああ、ああ、そうだよ。 僕はこの世界の住人じゃないよ、多分・・・。」
「お! おお!! 主様は世界すら違う場所から来たのか! すごいのう! すごいのう!」
この少女はいったいなんなんだろうか。
さっきから、目を⭐にして何度も頷きながら、話の続きを待っている。 猫の獣人のくせにまるで、目の前に骨を置かれた犬みたいだ。
「まぁ、落ち着いてよ。 とりあえず、元に戻る方法を考えなくちゃ。 僕はどこからここに運ばれてきたの?」
僕は、少女をよけて布団の上に座り直して少女にきいた。
すると少女は、少し残念そうな顔をして、語り始めた。
「うーん。 主様はある日突然、わしの家の前に倒れていたのじゃ。 最初はわしも驚いたが、神様が我らに希望となる者を与えてくれたのかと思って、それからずっと、布団で寝かせていたのじゃ。」
「ちょっとまて。僕が希望ってなに?」
突然なんか暗い話になってきたな・・・。
「ああ、そうか。主様は知らないんじゃったな。 あと少しでこの村は滅びる。
領主様がいなくなって、国がこの村を引き取りにきたのじゃが、
土地は悪く、住人も猫獣人であまり仲が良くないから滅ぼす、とやつらは言ったのじゃ。」
「・・・・・・・・・・・・。」
僕はそれを聞いて、絶句するほかなかった。 僕を助けてくれたこの子を含め、猫獣人と仲が良くないという理由だけで、国が滅ぼしにくるなんて、日本であるなら絶対にあり得ないことだ。
いままで、平和でなにもない世の中で暮らしてきた僕からしてみれば考えられない話なのだ。
「でも、猫獣人の人しか入れない結界が、あるんじゃ・・・。」
「主様は阿呆か? そんなものは結界をはったやつより壊す方の力が、強ければ難なく壊せる。」
つまり、どうしようもないということだ。
「そんなことって、な・・・。」
僕は項垂れた。 折角助けてもらったこの命、せめてこの人たちのために使いたいのだが、
いったいどうしたらいいんだ?
「そう項垂れるでない、主様。 きっと、村の大人たちも何かしらの対処をするであろう。 いざとなれば村人全員で戦争じゃがな。」
「戦、そう・・・」
この言葉を聞いて俺は、はっと気づく。
・・
「わかった。 その戦争になる前に俺が
助けてやる。
村の大人たちを集めてくれないか?」
「えっ!?」
何を根拠にこんなことを言ったのだろう。
そんなことを、今更思う。