まじめっ娘とイケメンくんの恋


謙太さんの仕事が残業だから
8時の待ち合わせになった。


事前に中華が食べたいなと
図々しく送っていたから
場所は決めてくれていると思うが・・・。


「ごめんごめん」と謝りながら
やって来た謙太さんは
ほんのりブルガリの香りがする。


まだ夕陽さんのシャネルは
使ってないんだね。


勿体なくて使えないのかな。


「今日に限って残業になるとか
マジありえんわ!」


「お腹空きすぎてヤバイです」


「食い気満々だな」


「今日は色気より食い気ですからね」


「えっ?今なんて?
あやっぺの口から
色気って聞こえたけど?
聞き間違いなのかな?」


意地悪そうに笑いながら言う顔は
いつもの謙太さん。


「どーでもいいしっ!」


向かう中華のお店は
待ち合わせの場所から徒歩3分~5分。


「オレは寿司が食いたかったんだけどな
どーしても中華って言うから
仕方なくお前に譲った」


「じゃあ 今度お寿司食べに行こう
あ・・・」


バカ・・・今度とか
勝手なこと言ってバカだし。


「いいよ」


普通にいいよと言ってくれるとは
思ってなかった
いつも何か付け足されるのに
素直に言われると
しっくりこない。





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