まじめっ娘とイケメンくんの恋
「思ったより元気そうでよかったよ」
テーブルに着くとすぐにそう言った謙太さん。
彩子さんに聞いて
あたしが塞ぎ込んでると思ってたらしい。
「もー!彩子さん・・・
彩子さんが何て?」
「あやっぺが色々あって
悩んでるからご飯でも誘ってあげてって」
彩子さんはそんな遠回しに言う人じゃない
絶対【二股】とか言ってるはず。
「それだけ?」
「それだけとは?」
「いや・・・何でもない」
「まぁ!男は世の中一人じゃないって!
つまんねー男はさっと切って
次の男を見つけろ」
「もぉー!聞いてんじゃん」
「変なやつに捕まったんだな
男を見抜けねーから
田舎者は困るんだよな」
「・・・」
「いいのいいのって言われて
舞い上がってたんだろどーせ」
「・・・
それ以上言わないでください」
「あいつそんな風な男だと思ったよ
オレの勘は当たるな」
貴生さんはそんな人じゃない
貴生さんいい人なのに
そんなレッテルを貼ったら
申し訳ない。
「その話はもうしないでください」
「ちょい聞くんだけどさ
そんな男としたわけ?」
「してません!」
「あれ?この前はみんなの前で
まぁ~みたいに言ってて
いかにも やったように言ってたけど?」
「言葉を濁しただけです
あんな場所で聞かれて
真面目に答えられないですよ」
「ふーん でもさ
付き合ってたんだろ?
かれこれ ひと月ぐらい
それなのに?マジ?」
実際には
半月でお断りしてるけどね。
「もー!
謙太さんの言いたいことわかります!
手を出せないくらい魅力のない女です
わかってますからもう話を変えてください」
「そっかそっかしてないのか」
「も!連発しないでください」
「怒んないで何か注文したら?」
「謙太さんもですっ!」