まじめっ娘とイケメンくんの恋


「君ら本当に友達?
一人だけ浮いてない?」


男子が言った。


「そーよ!友達よ!ねっ!綾子」


「あ・・・うん」


「全然違うタイプだね」


「そうなの!この子人見知りしちゃうのよ
でもなれれば大丈夫だから
今日は合コンだからお洒落してきてね!
と伝えてたのにあたしんちで
まったりDVD鑑賞だと勘違いしちゃって
こんな格好で来たみたいよ
ねっ!綾子」


こんな格好・・・
これでも持ってる服の中ではいいつもり。


「そっか!じゃあ
いつもは化粧したりしてるんだ」


「あ・・・まぁ~」


「と言うことは 何も手入れしてない
これが素!ってことだよね
意外と盛れるんじゃない?」


「素っぴん美人」


バカにされてるのか
誉められてるのかまったく
理解できなかった。


人数合わせという事で
どうしても一人はあたしが
相手になってしまう。


男子がじゃんけんでパートナーを決めて
残った宍戸くんがあたしの相手。


無愛想なのは言うまでもない
相手が地味なあたしだから。


「スマホのアプリでさ」


「あたしガラケイだから」


「一曲入れようか?
カラオケ行っていつも歌う曲は?」


「行ったことないです」


「マジ???
超 萎えるわ!誰か席を代わってよ
時間制にしようよ
会話続かんし 面白も糞もないわ」


「すみません」


その時に男だの恋愛だの
めんどくさいものだと改めて
確信したのだった。


ただひとつ!


何故だか親の元から離れてみたいと
回りの自由さを見てその時思った。




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