まじめっ娘とイケメンくんの恋


「ねぇ 綾子に訪ね人が来てるんだけど?」


彩子さんから電話が掛かってきた。


尋ね人?あたしに?誰?


「どんな人?」


「男の人」


男の人?まさかのお父さん?
お父さんしか居ないよね
あたしを訪ねてくるのって。



父さんならマズイ・・・それは
かなりマズイ。


この前帰ったときにルームシェアの事を
言おうと思ったけれど
きっかけがなくてまだ言えてない。


こんなことなら言っておけばよかった。


あっ!!!しかも!!!
元春さん来てないよね?
来てたらますますヤバイ。


「彩子さん
もしかして元春さん来てます?」


「えっ?来てないけど
なんで?」


「せっかく二人のところに
誰か来たのかと・・・」


「寂しく今日は一人なのよ」


よかった・・・少し安心。


「尋ね人って父かも!
あたしを訪ねてくるのって父しか居ないもの」


「あっ・・・そうそう年配の人よ
上がってもらう?」


「うーん・・・その人何か言ってない?
彩子さんに失礼なこと言ってない?
あたしね 父にルームシェアのとこ
言ってないんだよね」


「あ~大丈夫
適当に話を合わせるから
なるべく早くかえってきてくれない?」


「はい わかりました
すぐに帰ります」


大変だ!どこから話せばいいの?
父のことだから不動産屋に
文句を言うだろうし
あげくの果てには連れ戻されるかも。


「何?何かあった?」


「父が来てるみたいなの」


「突然?」


「うん急いで帰んなきゃ」


「もう?もっとゆっくり出きるかと
思ったのに」


「ごめんなさい」


「ムカつくから送らないよ」


送ってもらおうとか思ってもない
むしろ送ってもらって父と会ったら
何を言われるか・・・。


「誰だ!こいつは?」から始まって
あ~頭痛い!!!どーしよう。




< 92 / 125 >

この作品をシェア

pagetop