涙色
・・・今の夢羽を元に戻すにはやっぱり。
これしかない、よな?
俺は電話をかけた。
『もしもし?どうしたの?』
「今すぐ俺の学校に来い。」
『は?え、なんで』
「夢羽の様子がおかしいんだよ。」
"夢羽"という名前に反応した相手は"すぐに行く"と言って電話を切った。
未だに震えている夢羽に視線をずらす。
もうなにもみていない、絶望したような目をしていた。
~♪〜♪
俺のスマホの着信音。
・・・そういえば場所教えてないな。
「もしも・・・」
『飛鳥!どこにいるの!?』
「・・・旧美術室」
『何回!?』
「西棟の二階」
俺がそう言うと、なにも言わずに切ったあいつ。
どうせ、走っているんだろう。
だってあいつは夢羽のことが好きだから。