涙色
春輝side
夢羽を送ってからまた倉庫に戻った。
「おかえりー」
ドアを開けて中に入ればみんなが俺に気づいて挨拶をしてくる。
俺はそれには答えずに、夢羽のことを話すべきなのかを考えた。
––––いや、どこまで話すのかを。
今日のことだけにする?
それとも・・・一昨日の麻結美さんって人のことも話す?
夢羽はきっと両方とも話されたくないんだ。
たぶん。
夢羽が望んでいないことを俺がやってもいいのか?
・・・止めておいた方がいいのか。
話した方がいいのか、わからない。
「・・・るき、・・・春輝!」
佳正に呼ばれて、ハッと我に返る。
「春輝、どうした?」
俺に向かってそう言った佳正は本当に周りをよく見てると思う。
「・・・いや、あー・・・」
話すか、話さないか。
どちらの方が夢羽にとっていいのかがわからない。
「なんだ、それ?」
佳正はハハッと笑った。
やっぱり、話した方がいいのか・・・?