涙色


「夢羽は、学校でいじめられてたんじゃないかな。」


「は・・・、いじめ?」


「これは、あくまでも俺の推測なんだけど。・・・夢羽は桜嵐の元姫。しかも裏切り者にされている。–––––どういう意味か、わかるよね?」


つまり、学校の裏切り者にされている可能性が高いということ。


みんなも意味がわかったみたいで。


「今日も、同じようにいじめられた。そして、なにかが過去と––––––重なった。」


だから夢羽は、俺のことを父親と重ねた。


夢羽の過去はなにも知らないけれど、これだけははっきりと言えるんだ。


「このままだと夢羽が––––壊れる。・・・だから俺達は夢羽が壊れないように支えよう。」


俺の言葉にみんなが頷く。


夢羽が壊れないように。


俺達でしっかりと支えなければいけない。


今の夢羽の心にはヒビが入っているから。


もしかしたら、もう隅から崩れているかもしれない。


だから俺達は。


ソレを修復するんだ。


ヒビの入った心を、元通りに。


春輝side end




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