涙色


しばらくして鳴り止んだ音。


諦めて帰ったのかな、なんて考えた。


私はクマのぬいぐるみをぎゅっと抱きしめて、布団を頭から被って眠りについた。


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『なんでだよ!』


『おい夢羽!お前ふざけんなよ!』


『お前に机はいらねぇよ。なんで学校来るの?本当に迷惑。』


うん、そうだよね。


ごめん。


ごめんなさい。


『・・・もうやめてっ!』


そんなことしなければよかった。


–––ドンッ


たまたま目の前にいた男子を突き飛ばした。


私が耐えればよかったのに。


–––ガシャン!!!


すごい音がして、机と一緒に倒れたその子。


その子の頭からは血が出ていて。


『は!?ちょ、お前なにやってんだよ!』


『誰か先生呼んできて!!』


『ねぇ、大丈夫!?』


呼びかけても反応しない彼。


ごめんなさい。


『あんたのせいで!!!』


そうだね。


ごめんなさい。


『お前みたいな汚いヤツなんて生きてちゃいけねぇんだよ!』


そうだよね。


知ってる。


目の前に広がる青。


やめて、ごめんなさい、許して・・・!


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