涙色


「っや、やめてぇぇえ!」


私はバッと飛び起きた。


「はっ、はぁ、はぁ・・・っなんで・・・」


ポロポロと涙がこぼれてくる。


ソレは私の頬を伝って布団にシミを作った。


全部全部お父さんのせい。


お父さんがココに来たから・・・。


いつも通りに戻さなくちゃ。


いつも通りに笑えるはずだから。


私は鏡の前に立って笑った。


「ほら、笑えてる。大丈夫だよ。」


私は学校に行く支度を済ませ、家を出た。
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