涙色


「ねぇ夢羽。」


突然春輝が声をかけてきて。


「なに?」


春輝は辛そうに眉をハの字にして、笑った。


「夢羽はなんで、家に帰らないの?」


「っあ、えと・・・」


その質問に答えられず、口ごもる私。


「・・・ごめん。今の忘れて。」


また笑った春輝は、悲しそうだった。


ごめん。


よわくて、ゴメンね。


そんな顔をさせてしまっているのは私なんだよね。


ごめん。


なんか最近謝ってばっかりだ。


でもそれだけ私がイケナイコなんでしょ?


私たちのやり取りを心配そうに見つめる4人。


「・・・ごめん。ごめんね。」


私は俯いて、小さな声で呟いた。


「大丈夫だよ。ただ、夢羽が壊れるんじゃないかって心配なんだ。」


「心配・・・?」


どうして私に心配なんてするの?


心配なんて今までされたことないのに。


「だって、夢羽が大切なんだもん。夢羽には辛い思いして欲しくない。だから、夢羽の事を支えたいし、助けたい。–––––でも、夢羽の過去をなにも知らないから、なにが夢羽を追い詰めているのかがわからないんだ。」


そんなの、初めて言われた・・・。


ねぇずるいよ。


そんなに優しくしないでよ。


「っ」


ポロポロと零れた涙は倉庫の床に丸いシミを作って。


「え、夢羽!?なんで泣いてるの!?」


春輝はオロオロしてるし。


「っなんで、なんでそんなに優しくするのっ」

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