涙色


私はみんなに話さなきゃいけないんだ。


–––––ううん、違うね。


話せるんだ。


みんなになら。


たぶん、まだ自分でも思い出に出来てなくて。


話しながら泣いてしまうかもしれない。


それでもたぶん、みんななら受け止めてくれるから。


まだまだ怖いけれど。


きっとみんななら支えてくれる。


今まで通りになってくれる。


嫌われない保証はないけれど、嫌われる保証もない。


私はみんなを信じてるから。


私のことを嫌わないでくれるって、信じてるから。


だから私は。


今日これから、過去の話をすべて話すね。

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