涙色


付き合って1年。


中学2年の二月のことだった。


あの日私たちは遊園地に行った。


私にとって初めての遊園地だった。


ジェットコースター、コーヒーカップ、観覧車。


とてもとても楽しかった。


観覧車の中で、ハートのペンダントを貰って。


これは私と裕磨のたったひとつのお揃いだった。


––––帰りに、少し細い道を歩いていた時だった。


小さな公園を少し過ぎたところで。


突然横からライトに照らされた。


突然のライトに目が眩む。


手を顔の前に出して、目元の光を遮りながらライトの方向を見た。


もう目の前に車が迫っていて。


––––ドンッ


私と裕磨は車に轢かれた。


体に強い衝撃がきて。


そのまま意識を失った。
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