涙色


春輝の言葉に、心臓が、爆発しそうになって。


春輝に掴まれている手が、以上に熱を持って。


恥ずかしくて、前を向けない。


だって今の私、絶対顔真っ赤だし!


もう自信あるし!


でも、返事、しなきゃ。


私の、気持ち。


私の、気持ちは────。


「・・・っ私も、私も春輝が好きっ!」


そう言って、春輝の顔を見た。


2人で見つめ合う。


目を逸らせない。


だんだん両方とも顔が赤くなっていく。


・・・もう限界!!


「「ふっあはははっ!」」


2人で吹き出した。


「ちょ、夢羽なにその顔!!!真っ赤だよ!?真剣な話してるんだからやめて!」


「な、にそれ!?それはこっちのセリフだバカ!春輝だって真っ赤じゃん!」


ひとしきり笑った後、私は1度春輝から手を離した。


私が手を離したことで、春輝が不安そうに私を見る。


おそらく、裕磨のことを考えて、私が"付き合わない"って言うと思ってるんだろう。


・・・そんなこと言わないのに。


私は、自分の首の後ろに手を動かす。


────シャラ


小さな音を立てて私の首から離れたソレ。


春輝は驚いたように私の手元を見た。


「これは、もう必要ないから。だってさ。春輝が私のことを守ってくれるんでしょう?」


私は目を細めて、口角を上げる。


「夢羽・・・。うん、守るよ。絶対一人にはしない。だから、もう我慢しないで。────わがまま言っていいんだよ。」


「っ・・・!」


私の目に涙が浮かぶ。


「・・・っあり、が、とうっ!」


私は、春輝に抱きついて、涙を流した。


春輝は、そんな私のことを抱きしめ返してくれた。


春輝の温もりに、とてもとても安心して。


春輝ならいなくならない。


春輝が言った"絶対"は、本当に"絶対"なんだと思った。


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