涙色



・・・嫌なこと思い出しちゃったな。


考えないようにしよう。


私は廊下に出た。


空き教室に向かって歩き出す。


もうちょっとで空き教室なのに。


なんで奏太と駿生が来るの。


俯いて歩く。


顔をあげられない。


こわい。


「あれ、まだ来てたんだ。裏切り者。」


「っ・・・!」


なんで私にかまうの?


ほっといてよ・・・!!


「怖くて顔もあげられないの?」


そう言って笑う奏太。


私は空き教室ではなく、屋上に行った。


でもそれが間違いだった。


忘れてたんだ。


屋上が、桜嵐溜まり場だってことを・・・。

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