涙色



ねえ、なんで?


関わりたくないんじゃないの?


どうしてそっちから関わってくるの?


「なぁ。」


突然発せられた言葉。


私は下を向いたまま続きを待つ。


すると動き出した奏太。


なにも、されない・・・?


立ち止まったのに?


少し安心したのも束の間。


ピタッと足音は私の隣で止まった。


そして、肩に手を置かれ、耳元で言われた言葉。


「お前、マジでウザい。早く消えればいいのに。」


「っ!!」


そして、奏太の足は上がって。


膝が私のお腹に入った。


とてつもなく痛くて。


これでもまだ、手加減してくれてるんだな、そう思った。


「っぅゲホッゴホッ」


何も言わずに去っていった奏太。


私はその場にうずくまる。


シンとしていた周りから聞こえてきたのは、心配の声や、同情の声ではない。


–––––––––笑い声だった。


みんなが笑ってる。


笑って、笑って。


そして、


「綺麗にしてあげるよ〜!」


その声とともに、上から降ってきた水。


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