涙色


いつも通りいじめられて。


放課後。


帰ろうと思って、もう私しかいない教室をあとにした。


廊下を歩いていた時だ。


前からはまた、桜嵐の人たちが歩いてきて。


しかも幹部以上が全員。


ああ、最悪だ。


ピタッと目の前で止まる彼ら。


なんで。


どうして構うの。


「おい!てめぇ、まだ明希のこといじめてんのかよ!」


普段チャラチャラしてて、短気な駿生。


「私はやってないよ・・・」


そんな言葉しか出てこない。


いつからこんなに弱くなったんだろう。


「本当のこと言えよ。いつまで川崎さんは嘘つくの?」


いつもは可愛い系の李都は、怒ると口調が悪くなる。


李都も本気で怒ってるんだ。


「だから、私はやってないよ・・・!」


視線を彼らに向ければ、殺気を向けて睨んでいた。


そんなに嫌い?


もしかして、私が姫だった時から嫌いだった?


ねぇ、『裏切らない』『夢羽は必要だ』って言ってくれたじゃん。


あれは嘘だったの?


いつから嫌いだったの?


私は何も言わずにただ、彼らを見つめていた。


「はあ、もう行こーぜ。」


そう言ったのは駿生。


その言葉でみんなが動き出す。




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