涙色
なんで動かないの?
響。
亮平。
なんでよ。
「いい加減認めたらどうだ。」
まだ、言うの?
なんで決めつけるの?
「やってない・・・」
「まだ、嘘つくのか?」
ねえ、亮平。
何を言っても信じてくれないんでしょ?
じゃあ聞くだけ無駄じゃない。
どうせ信じてくれないのなら。
・・・嘘ついてもいいよ。
「・・・はぁ。そうだよ、私がやったの。私が明希ちゃんをいじめたの。ごめんなさい。・・・もう関わらないから。・・・これで満足?謝ったしもういいでしょ?」
どんどん心が冷たくなっていくのがわかる。
自分が、昔の自分に戻るのがわかる。
感情がなくなっていく。
見えているものがモノクロになっていく。
「夢羽・・・?」
「どうせ信じてくれないんでしょ?何を言ったって無駄じゃない。」
「・・・」
「私ももう関わらないから、あんた達も関わらないでくれる?」
「夢羽・・・」
そこで初めて響が口を開いた。
「本当にいじ「どいて。邪魔。」」
響が話終わる前に私が言った。
その言葉に響が悲しそうに眉を寄せる。
私の冷たい声に、二人とも動かない。
「どいてよ。邪魔なんだけど。」
その場から動かない二人を見て、私はため息をついた。
そして、無理やり亮平と響の間を通って、そのまま家に帰った。