涙色


死ねない。


死ねないけれど、今の状況には耐えられなくて。


とりあえず、家にはいたくなかった。


だって家にいると、いつもひとりだから。


学校にいる時は、1人じゃない。


私を嫌っている人でも、絶対教室にいるから。


教室の中にはたくさんの人がいるから。


でも家の中には私だけ。


夜は安心するために、近くの街をぶらぶら歩く。


毎日。毎日。


絡まれることもあった。


その度に逃げた。


裕磨以外の人に触られるのが嫌で。

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