涙色


明らかに力が弱まった。


今だ。


今しかない。


私は押さえつけられていた手を振り払う。


「なっ!?」


落ちたペンダントを拾いつつ、足を振り上げた。


「っ!!!」


声にならない叫びを上げている男を見ながら、走った。


「おいっ!待て!」


追いかけてくる男。


いやだ。


誰か助けて・・・!

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